日々のデスクワークで何気なく動かすオフィスチェア。
オフィスによっても「床の素材」はさまざまですから、オフィスチェア選びの際には、オフィスの床に合わせた「キャスター素材」を選ぶ必要があります。
本記事では、オフィス床に合わせた「キャスター選びの重要性」について、椅子メーカーとしての知見を踏まえて詳しく解説していきます。
そもそも「キャスター」って何?
ナイロン製キャスター |
ウレタン製キャスター |
ゴム製キャスター |
キャスターとは、椅子の脚部に取り付けられた小さな車輪のことで、椅子そのものを簡単に動かすためのパーツです。
主にオフィスチェアやデスクチェアなどの室内用の椅子に使用されており、ユーザーが座ったまま移動したり、向きを変えたりするために採用されています。
素材で動きも違う!キャスター素材は大きく「3つ」!
オフィスチェアにおけるキャスタータイプは大きく分けて、以下の3種類。
- ナイロン製キャスター
- ウレタン製キャスター
- ゴム製キャスター
ここからは、素材ごとの特徴を詳しく解説していきます。
ナイロン製キャスター:滑らかな動きが魅力
まずはオフィスチェアにおいて最も主流なのが「ナイロン製キャスター」です。
ナイロンは硬度が高く、重量物を乗せても軽く押し出せるため、スムーズな移動が可能で、特にカーペットのような柔らかい床材の上で、スムーズに移動できるのが大きな特徴で、タイルカーペットなどのオフィスに適しております。
ただし他素材に比べて、やや弾性が低いため、硬い床材での使用は劣化しやすく、フローリングなどでは床を傷つける可能性があるため注意が必要です。
ゴム製キャスター:硬い凸凹した床に適している
柔らかい素材のゴム製キャスターは、柔軟性もあり硬いコンクリートの床や凸凹した床に適しております。
また静音性にも優れているため「作業用の椅子 + 凸凹した床」なシーンで多く利用されています。
ゴム製は柔らかい素材な為、キャスターの耐久性が少ないので長年使用していると
- 動きが悪くなった
- カラカラ移動音が鳴るようになった
といった、症状がある場合は交換をおすすめします。
ウレタン製:「動きやすさ + 静音製」のバランスが良い
ウレタン製キャスターは、車輪の外側をウレタン樹脂でカバーしているので、フローリングやPタイルといった床に適しています。フローリングのオフィスや在宅用チェアとして、幅広く導入されています。
ウレタンは弾性があり静音性が高いのはもちろん、可動性もよく、タイルカーペットにも使用できるので、タイルカーペットの執務スペースはもちろん、フローリングの事務スペースでも幅広く選ばれています。
また、ウレタン製キャスターは柔軟性もあるので比較的、床に傷をつけにくいという特徴もあります。
※いずれのキャスターも傷がつくことがあります。ご了承下さい。
【結論】オフィス導入なら「ウレタン or ナイロン」を推奨!
オフィス導入を見据えて椅子を選ぶなら、キャスターは「ウレタン製 or ナイロン製」が推奨です。
これらは柔軟性に加えて、床に対する摩擦を軽減するため、フローリングやPタイルなどの傷つきやすい床材にも適しています。
またカーペットのような柔らかい床材でもスムーズに移動できるため、「動きやすさ・機能性はどうかな?」とお考えの場合は、ウレタン製 or ナイロン製のキャスターチェアを選ぶことをおすすめします。
【床別に見る】キャスターの推奨素材について
上のセクションで「迷ったら、ウレタン製 or ナイロン製」と解説しましたが、ここからはもう少し具体的に、床材ごとに適したキャスター素材とその理由を解説していきます。
実際に導入するオフィス床と照らし合わせながらチェックしていきましょう。
①:カーペット床なら「ナイロン製」
カーペット床のオフィスでは、ナイロン製キャスターが最適です。
ナイロン製キャスターは硬く、カーペットの繊維に引っかかりにくいため、スムーズに移動できます。
また事務作業を行うデスク周りでは、頻繁に椅子を動かすことが多いため、ナイロン製キャスターの軽快な動きが作業効率向上にも繋がります。
②:硬いフローリング・木床なら「ウレタン製」
フローリングや木床などの硬い床材の場合は、ウレタン製キャスターが理想的です。
ウレタン素材は柔軟性があるため「フローリングを傷つけにくい」というのが大きなメリットです。
ウレタン製キャスターは静音性も高く、椅子の移動も簡単なため、オフィス導入ではウレタン製キャスターが多く選ばれています。
③:工場利用なら「ゴム製」
「静音性が高い + 凸凹した床でもOK」という特徴からも、特に工場での利用はゴム製のキャスターを推奨しています。
こちらも硬い床材を傷つけにくいのはもちろん、凸凹した硬い床でも静かな動きが可能なため、工場での利用などがおすすめです。